出典: ブリブリー百科事典『ホジペディア(Hojipedia)』
アンキモティあるいはアンキモティー、アンキモッティ(앙 기모띠)は、韓国のインターネットスラング。
語源は、日本のアダルトビデオに出演するAV女優が発する喘ぎ声まじりのセリフ「あ〜ん 気持ちいい」である。
ハングルで表現する場合は「안」「키모티」「기모찌」、スペースのない「앙기모띠」などいくつかの表記ゆれがある。
歴史
ポルノの製造販売や配信が禁止されている韓国の男性の間では、インターネット時代になり、密かに日本のアダルトビデオを視聴する者が増加した。
2010年代前半、匿名掲示板に日本のAVに頻出するセリフ「あ~ん 気持ちいい」をハングルで表した「앙 기모띠(アンキモティ)」が初めて書き込まれたが、一般に普及することはなかった。
日本語を表す場合は、本来なら外来語表記法により「기모치이이(きもちいい)」が正しいが、ネチズン特有のノリで韓国語に似せた表記がなされた。
長音が含まれるため「앙 기모띠~」のように語尾に長音記号が付与されることはあるが、韓国語の正規表現では「アーン」を表す方法がなく、感嘆詞として伸ばし気味に発音する者もいたが、大半は表記通りに短く「アン」と発音された。 ※国際音声記号の長(ː)を用いた「안ː」という表現は可能だが、基本的に辞書以外では使用しない。
2015年〜2016年にかけてアフリカTVの人気男性配信者で元プロゲーマーのチョルグ(朝鮮語版)が、変顔をしながら親指を立てる一発ギャグのセリフとして頻繁に用いたことにより、若年層の間で流行語となった。ちなみに、チョルグは和モノAV愛好家であることを公言している。
前述の通り、日本の風習をからかう側面が強いが、成り立ちを知らない多くの者たちがその異質な言葉の響きのみを面白がり、日常会話で気軽に多用するようになった。子どもたちだけではなく、純粋に「気分が良い」という意味で芸能人やプロゲーマー、YouTuberらが使用する事例もあった。
このように、語源を知りながらわざと使う者と、知らずに無邪気に使う者とが混在する状況で大流行していった。
社会問題として
児童の間で爆発的に大流行したことにより、たとえ他意はない場合であってもセクハラや女性差別などの言葉の暴力問題に発展し、アンキモティ禁止令が出された小学校もあった。
一方で、一部のネットユーザーが、西武ライオンズG.G.佐藤選手のヒーローインタビュー時の絶叫パフォーマンス「キモティーーーッ!」を例に、「気持ちいい」は日本では猥褻語にあたらない点を重視し、好奇心旺盛で外来語を柔軟に取り入れる若者の言語感覚に寛容であるべきだとの反論を試みる向きもあった。しかし、下品な男性配信者による流行語というマイナスイメージが強く、擁護する勢力は極々限定的であった。
オンラインゲームで、韓国人男性ゲーマーが日本人女性ゲーマーに対して「アンキモティ」を連呼する嫌がらせが横行した。
辞典サイトのナムウィキでは「모찌(餅、もち)」の項目名が「기모찌(きもち)」に書き変えられるなど、一時的に荒らしが多発した。
Q&Aサイトでヤン・グンモ(양금모)と名乗る少年が、「アンキモティ」をもじった「ヤン・グモティ」という蔑称でいじめられていることを告白して話題となった(リンク↗)。この相談について、「大好きなおやつのミスッカル(朝鮮の伝統食品)も喉を通りません」という表現があることから、ウケ狙いの架空話だという意見もある。ただし、似た発音の姓名を持つ児童・生徒がからかわれる実例は存在する。
自動翻訳結果
2021年7月現在、各翻訳サイトの日本語への翻訳結果は以下の通り
앙 기모띠
・Google 翻訳 → 裾起毛帯
・Papago翻訳 → あん起毛帯
・エキサイト翻訳 → アン起毛帯
・Weblio翻訳 → うわ起毛帯
・CROSS-Transer → うわ起毛帯